無題

オレの
旦那は
四年前に死んだ。

オレが
30代後半の時だった。

仕事にも就かない人だった。

『他人に使われてまで
仕事などしたくない』

いつも
偉そうに言っていた。

オレは
金のことは諦めていた。

息子のことを
すごく
大事に思っている所を認め

オレは
少ない給料ながら
仕事に出掛けていた。


旦那は
タバコ代や小遣い程度を
稼ぐため
冬は
山に登り
薬草の原料となるものを採っていた。

登ってすぐの
転落死だった。

オレは
その当時の年齢のまま
精神が
遅れてしまっている息子と
実母の
3人で暮らしている。

旦那の
生命保険で
余裕で暮らしていると
思われている。

ゼロだ。

保険金は
全て
義理の親の懐に入っている。